今回は「従業員持株会には加入しない方がいい」という話を紹介します。
「自分の会社なんて信用するな!」という話ではありません。
なぜ加入を避けた方がいいのか、理由を含めてわかりやすく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
皆さんの会社には 従業員持株会制度 がありますか? そして、加入していますか?
多くの会社では持株会制度があり、加入を推奨しているはずです。さらに、奨励金が出ることが一般的です。
「お得でしかないじゃん!」
僕もそう思っていた時期がありました。しかし、 目からウロコのデメリット があるのです…。
では、その実態を詳しく見ていきましょう!
第7話 持株会のメリットとデメリット
NISA口座の金融機関を楽天証券に変更し、積立設定を終えた飛雄。YouTubeで勉強を続ける中で、持株会について解説した動画にたどり着いた。
「会社から奨励金が出てるし、お得だよね」
そう考えていた飛雄にとって、その動画の内容は 目からウロコ だった。
飛雄が勤めているのは成熟した企業で、これから急成長するというよりは 安定して利益を出し続けるタイプだ。
入社以来、少額ずつコツコツと持株会で株を購入してきた。株価は入社当時より下がっているが、 毎月の積立でドルコスト平均法 が働き、取得単価はそこそこ。さらに、
・ 奨励金が毎月数%支給される
・ 配当金 も入る
そのおかげで、全体としては利益が出ていた。
「普通に株を買うよりお得だし、定年まで続けよう!」
そう考えていた飛雄だったが、YouTubeの勉強を進める中で 持株会の重大なデメリット に気づくことになる…。
従業員持株会のメリット
1. 毎月の購入金額に数%の補助が出る
これにより自己資金以上の株式が買えます。少額から株式を購入できるため、資産形成の助けになります。福利厚生の一環と考えられることも多い。
2.会社で働くモチベーションが上がる
これにより「株価が上がるように頑張ろう!」とより一層思えるようになる。
一見、お得に見える持株会。しかし、 見落とされがちなデメリット がある。
従業員持株会のデメリット
1. 超集中投資になる
最大のリスクは 「収入と運用資産の集中」 だ。
極端な話、 会社が倒産すれば給与も資産も同時に失う ことになる。
飛雄がNISAで積み立てているのは S&P500に連動するインデックス投資信託 だ。
インデックス投資の基本は 「長期・分散・低コスト」 である。
しかし、持株会は 究極の集中投資 であり、その基本から大きく逸脱していた。
2. 流動性が低い
普通の株式投資とは違い、売りたいと思ってもすぐには売れない。
指定の証券会社で口座を開設する→特定口座に振替(単元株単位)→売却
このように、手間がかかる うえに、インサイダー取引にも注意が必要だ。
さらに、 積立額の変更や解約ができるタイミングが限定されている ことも多い。
つまり、 「流動性が低い」 のは大きなデメリットと言える。
3. 補助金には単利的な効果しかない
一番のメリットだと思っていた奨励金も、実は 時間が経つほど効果が薄れる。
・ 補助金は評価額ではなく「積立額」に対する割合で決まる
・ 株価が大きく成長しない会社では、複利効果が期待できない
これでは、 インデックス投資のような複利的効果は期待できない。
補助金を一番のメリットだと思っていたが、実際には 投資期間が長くなるほど、保有株式数が増えるほど、その効果は薄れてしまう。
補助金は「積立額」に対する割合で決まるため、株価の大きな成長が期待できない会社の株式では、インデックス投資のような複利的な効果は得られない。
もちろん、これまで積み立ててきた資金を当時の知識でインデックス投資に回せたとは思えない。
しかし、 現金のまま持っていたり、無駄遣いしてしまうリスクを考えれば、多少なりとも利益が出ていることを前向きに捉えておく。
可能な限り最大数の振替手続きを行い、少しでも流動性を高めた状態で、解約できるタイミングを待つことにした飛雄であった。
第7話 完
持株会を会社の立場で考えてみる
なぜ会社は 奨励金まで出して持株会を推奨 するのか?
それは、 会社にとってメリットがある からです。
会社にとってのメリット
・ 従業員が長期保有してくれる → 株価が安定し、経営も安定する
・ 従業員のモチベーションが上がる → 「福利厚生」としての側面がある
会社にとってのデメリット
・ 多少のコストがかかる
もちろん、 貯金できない従業員の資産形成を助ける という意義もあります。
しかし、 会社が倒産しないことが前提 の制度と言えるでしょう。
ある程度 金融リテラシーが高い人 なら、やはり 持株会には加入しない方がいい と考えます。
まとめ
✅ 持株会には加入しなくていい
✅ その積立分をネット証券でインデックスファンドの積立投資に回そう
これが今回の結論です。
とはいえ、
🔥 「俺はこの会社と心中する!」
🔥 「会社の成長に貢献したい!」
という熱い思いを持っている人は、 モチベーションを高めるためにあえて加入する という選択肢もあるでしょう。
僕自身、 今の会社には働きがいを感じていますし、社会的信頼もある企業だと思っています。
しかし、 会社が勧めることを盲信するのではなく、しっかり学び、自分で考え、判断していくことが重要 です!
持株会のメリット・デメリットを理解したうえで、自分にとって最適な選択をしてください!
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