カテゴリ「サイドFIREへの軌跡」では、僕、飛雄の資産形成実践記を残していきます。
うまく行ったことも失敗したことも包み隠さず残していきますのでよかったら参考にしてください。
※物語調の部分には脚色を含みます。
第2話 飛雄、優先順位をつける
気づけば、飛雄は毎晩のようにYouTubeを見ていた。
マッチョライオン系YouTuberとの出会いから、まだ10日しか経っていない。それなのに、頭の中はすでに資産形成でいっぱいだった。
再生リストに並ぶのは、家計管理、資産運用、副業、節税、不動産投資……とにかく情報の密度が異常だった。
「……何から手をつければいいんだ?」
動画の再生を止め、ふと漏れた独り言。
そのとき初めて、飛雄は自分が“迷子”になっていることに気づいた。
当初、彼の中で「資産形成=投資」だった。
銀行預金じゃ増えないし、何か投資をしなければ――そう思って動画を見始めたのだ。
だが、どの動画も共通して伝えていたのは、
「投資より先に、入金力を確保せよ」という現実だった。
「確かに……そうだよな」
深くうなずくと同時に、焦りが込み上げてくる。
自分は完全に準備不足だったのだ。
だが、ここで止まるわけにはいかない。
この状況を整理し、何を優先するかを明確にする。それこそが、社会人として鍛えたロジカル思考の出番だった。
優先順位の決定
飛雄が導き出したのは、2つの優先課題だった。
- 家計管理の最優先は「固定費の見直し」
- 資産運用の最優先は「NISA口座の移管」
欲張らず、いま自分にできることに集中する。
変えられることから変えていく。それが、資産形成という長い旅路の第一歩だった。
優先課題① NISA口座の移管
飛雄には、ひとつ心当たりがあった。
半年ほど前、「なんかみんなやってるみたいだし」というしょーもない理由で大手証券会社のNISA口座を開設していた。
入社当時から続けている従業員持株会の株式を扱うためにその口座を開いたのだが、深く考えずにNISAも同じ証券会社で始めてしまっていたのである。
だが、ネット証券の方がはるかに優れている――ということを、YouTubeの動画で初めて知った。
「これ……今年中に手続きしなきゃ、来年の積立がもったいないのでは?」
勉強不足だった自分を悔やみつつも、彼はすぐに行動に移すことを決めた。
ー年を越して後悔したくないー その一心で、NISA口座の移管を最優先タスクとして掲げたのだった。
優先課題② 固定費の見直し
もうひとつの課題は、家計の見直し。
これまで家計のすべてを妻・仁花に任せてきた飛雄にとって、それはまさに“未知の領域”だった。
まずは現状把握から始めた。
いま我が家はいくらの固定費を払い、どんな保険に入っているのか。
中でも特に注目したのは、民間保険の見直しだった。
最初の一歩は、保険営業マンへのアポイントメント。
「このままじゃダメだ」と気づいたとき、飛雄はあえて“逃げられない約束”を入れることで、自分を追い込んだのだ。
実際に支出を見直すには、
- 家族全員分の「必要な保険」を見極めること
- その内容について、仁花と合意形成を図ること
この2ステップが必要不可欠だった。
問題は、仁花からの信頼がほぼゼロだったことだ。
それもそのはず。これまで面倒なことを避けてきた夫が、突然「保険の見直しをしたい」などと言い出せば、疑われて当然だ。
だからこそ飛雄は、2週間という期限を自らに課した。
行動で信頼を取り戻すしかない。そう腹を括ったのだった。
資産形成への道は、想像していたよりもずっと遠く、そして奥深い。
けれどそのぶん、確かな一歩を踏み出せたときの手応えは大きかった。
飛雄はまだ“投資”のスタートラインにすら立っていない。
それでも、今の彼の目には、かつての惰性の日々にはなかった確かな光が宿っていた。
第2話 完
おまけ:優先順位の付け方
僕がどのようにしてやるべきことの優先順位をつけたのか、こちらの記事で紹介しています。
社会人になって身につけた知識を私生活でも役立てる。資産形成のスタートは遅れたけれど、持てる武器はフルに活用して取り組んでいきましょう。
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