こんにちは、飛雄です。
「信託報酬の差なんて、せいぜい0.1%くらいでしょ?」
S&P500の投資信託を選ぶとき、
こう考えて“誤差”として処理してしまう人は少なくありません。
たしかに、1年だけ見ればその差はほとんど見えません。
ですが、投資は1年で終わるものではありません。
では、その“わずかな差”が
10年、20年と積み重なったとき——
最終的な資産額にどれくらいの違いを生むのか。
この記事では、実際の数値をもとに、
「見えにくい差」がどれほどのインパクトになるのかを検証します。
“どれを選んでも同じ”と感じている人ほど、
一度は直視しておくべき話です。
前回は、
S&P500のインデックスファンドでも
実際にはリターンに差が出る、という話をしました。
→ 前回の記事はこちら
「S&P500連動ファンドの実力差を比較」
今回はその続きです。
「その差が、実際いくらになるのか?」
ここを具体的な数字で確認していきます。
小さな差は、本当に小さいのか?
前回のグラフを見ると、
「差はあるけど、1%にも満たないくらいでしょ?」
と感じた方も多いと思います。
たしかに、1年単位で見れば
差はそれほど大きくありません。
ですが、
投資は“長期”で考えるものです。
ここで重要になるのが、
複利
です。
多くの人がこの差を「誤差」と感じてしまうのは自然です。
なぜなら、
・日常で0.1%や0.2%の差を意識することがない
・1年単位では結果にほとんど現れない
・金額が小さいうちは実感できない
といった理由があるからです。
ですが投資においては、
この“体感できない差”こそが積み上がります。
そして気づいたときには、
取り返せない差になっていることが多いです。
シミュレーション条件
今回は、以下の条件で比較しています。
・毎月積立
・運用期間:30年
・平均リターン:S&P500想定
・各ファンドの差を反映
細かい前提はありますが、
重要なのは「差が積み上がる構造」です。
結果:無視できない差になる
※2026年4月 シミュレーション結果をツールに置き換えました。
前述の条件でシミュレーションする場合、
年利10%、Aコスト0.092(eMAXIS Slim)、Bコスト0.540(農林中金)、
投資期間30年、積立額5万円で設定し、結果を確認してみてください。
記事で取り上げたコスト差を、ご自身の条件で確かめてみてください。
「投資信託A」の年率コストに低コストファンドの実質コスト(例:eMAXIS Slim 0.092%)、「投資信託B」に高コストファンドの数値(例:農林中金 0.54%)を入力すると、記事のシミュレーションをそのまま再現できます。
結果を見ると、
最も成績の良いファンドと、
そうでないファンドでは、
最終的に数十〜数百万円以上の差が生まれます。
これ、どう感じるかは人それぞれですが、
少なくとも
「誤差だから気にしなくていい」
とは言えないレベルです。
もう一歩踏み込んで見ると、
この差は「節約できたお金」と考えることもできます。
本来払わなくてもよかったコストを、
選択次第で回避できたかどうかの差です。
なぜここまで差が広がるの
理由はシンプルです。
毎年、少しずつ負け続けるから
たとえば、
年0.2%の差があるとします。
この差は1年ではほとんど感じませんが、
20年続くと、
“ずっと不利な条件で運用している状態”
になります。
そしてそれが複利で積み上がると、
最終的な差は大きくなります。
もう少しだけ具体的に考えてみます。
仮に、毎年0.2%ずつ不利な条件で運用しているとすると、
それは毎年少しずつ「見えないコスト」を払い続けている状態です。
しかもこの差は、
元本だけでなく“増えた分”にもかかってきます。
つまり、
利益にも差が乗る
という構造です。
これが、長期になるほど差が広がる理由です。
逆に言えば、
この差を埋めるために、
無理に何かをする必要はありません。
・頻繁に売買する
・相場を読む
・情報を追い続ける
こういったことをしなくても、
シンプルに続けるだけでいい
というのがインデックス投資の強みです。
難しいことをしなくてもいい。
その前提に立てるだけでも、
投資のハードルはかなり下がります。
この差の正体
この差は、偶然から生まれるものではありません。
今回の結果は、
「当てにいった結果」ではない
ということです。
つまり、
- 特別な銘柄選定
- タイミング投資
は一切していません。
ただ、
同じ指数で、コストの低いものを選んだだけ
です。
それだけで差が出る。
しかもこの差は、
あとから取り返すことが難しい性質を持っています。
途中で気づいたとしても、
それまでに積み上がった差はそのまま残るからです。
これがインデックス投資の現実です。
ここで重要なのは、
この差は「運」ではないという点です。
・市場環境
・景気
・為替
こういった要因ではなく、
最初の選択だけで決まってしまう差
です。
そして一度選んだ後は、
基本的にその差を受け入れ続けることになります。
だからこそ、
「どれを選ぶか」は思っている以上に重要です。
実質コストでの比較は、シンプルに2本に絞った結論記事でも整理しています。
→ NISAの「S&P500」、迷ったらこの2本でOK【実質コスト比較】
まとめ
今回の内容を整理すると、
・小さな差でも長期では大きくなる
・原因は複利
・差は“ほぼ確実に積み上がる”
という話でした。
前回とあわせて考えると、
「どれを選んでも同じではない」
ということが分かると思います。
これは言い換えると、
インデックス投資における「数少ない差がつくポイント」とも言えます。
注意点
ただし、
この差だけを理由に
安易に乗り換えるのはおすすめしません。
・税金
・売却タイミング
・NISA枠
こういった要素も含めて判断が必要です。
最後に
インデックス投資はシンプルですが、
“何を選ぶか”で結果は変わります。
そしてその差は、
ゆっくり、でも確実に広がる
ものです。
ここまで理解できれば、
ファンド選びで迷うことはかなり減るはずです。
迷いを減らすことは、
長く続けるための大きな武器になります。
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本記事は筆者の個人的な見解・実体験にもとづく情報提供を目的としており、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資にはリスクが伴います。実際の投資判断はご自身の責任において行ってください。特定の金融商品・サービスの購入を推奨するものではありません。

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