40代二人以上世帯の貯蓄額・負債額 40代からの資産形成でやるべきこと

基礎知識向上委員会
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40代の皆さん。老後の目標ってありますか?
子供達が手を離れ巣立っていった時、自分がパートナーと共にどんな人生を歩むのか、イメージできていますか?
この記事では、日本の二人以上世帯における貯蓄額・負債額に関するデータを元に、40代の皆さんが資産形成に取り組もうと思えるように、そして、取り組むにあたってまずはどんなことをやっていけばいいのかについてアドバイスしていきます。
私は今40代中盤のサラリーマンです。この歳にして資産形成にようやく本気で取り組み始め、真剣に学んで得た知識を元に、同世代の大切な友達や将来の子供達にアドバイスするとしたらどんなことを伝えるのか。そんな趣旨で40代の皆さんの背中をそっと押せたらいいなと思っていますので、ぜひ参考にしてみてください。

※この記事では特に注記がない場合、以下で公表されている情報を用いています。
  家計調査年報(2023年)貯蓄・負債編(二人以上世帯)

40代二人以上世帯の詳細データ

使用するデータの前提や全体の平均値などはこちらの記事「日本人(二人以上世帯)の貯蓄と負債の現状 資産形成を始めよう!」を参考にしてください。
また、平均年収のデータについてもこちらの記事「日本人の平均年収は? 自分の現在地を確認しよう」で紹介していますので、参考にしてください。

40代の貯蓄額・負債額

こちらが40代二人以上世帯の平均的な貯蓄額・負債額です。
純資産の欄は単純に貯蓄額ー負債額を僕が勝手に追加したデータです。この貯蓄額には不動産などの現物資産は含まれておらず、厳密な意味(簿記的な意味)での純資産ではありません。
詳細データをチェックしてみましょう。

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✅ 調査世帯数:981世帯
✅ 世帯人員:3.63人
✅ 有業人員(世帯あたりの勤労者数):1.77人
✅ 世帯主の年齢:44.7歳
✅ 持家率:81.9%

40代の特徴としては持家比率の高さでしょうか。この後も年代が進むにつれて持家比率は上がっていきますが、上昇スピードとしては40代までが急角度で上がっています。その影響もあると思われますが、まだ貯蓄額より負債額の方が大きいというのが実態です。また、世帯収入が前の年代から最も大きく上昇しており、世帯主の収入アップと有業人員の増加が現れていることがわかります。
世帯人員は30代とほぼ変わりませんが、18歳未満が減少し、65歳以上が増加していることから、子供達が巣立つことと親世代を扶養に入れることが40代でのライフステージの変化と言えそうです。世帯収入の増加と、子供の大学費用等の支出の増加により、毎年家計の状況が目まぐるしく変化する年代と言えます。こういったデータを参考にしながら、しっかりとライフプランを考えていきましょう。

40代の貯蓄・負債の内訳

貯蓄と負債について、内訳を見ていきます。

では考察していきます。
貯蓄総額は順調に伸びていますが、30代からの増加額は20代から30代の間の増加額と同程度となっています。やはり収入が増えている分支出も増えていると考えられます。(収入は20代→30代が13.6%増、30代→40代が15.3%増、貯蓄額は同86.7%増、46.4%増)

20代から30代への変化と同様、「通貨性預金」の割合が低くなる分、「生命保険など」が増えています。わずかな差ですが、最も増えているのは「定期性預金」となっています。通貨性預金の比率が下がるとはいえ、貯蓄額自体は増えていますので、人生におけるお金のかかりどきを世帯収入の増加でしっかりとカバーできている。といったところでしょうか。
ただやはり気になるのは生命保険などの増加が大きいことですね。有価証券の割合はわずかに減少していますので、「貯蓄型保険」が「有価証券への投資」とほぼ同じ意味であることをまずは正しく認識したいところです。
定期性預金の増加から、「貯蓄に向ける意識」は高まっているにもかかわらず、なぜかリスク資産は保険商品で持つという傾向は非常に勿体無いですね。私も少し前までは似たような感じでしたが、貯蓄型の保険商品も立派なリスク資産であり「投資である」という意識が無い方が多いと思われます。
このことから、日本人の資産運用において「投資」を選択する人はまだまだ少数派だということがわかります。

注目したいのは、40代でも未だ貯蓄額を負債額が上回っていることでしょうか。マイホームがどれだけ大きな買い物であるかが、こうしてデータを見ると強く実感できます。私は40代中盤で一応貯蓄額が負債額を超えてはいますが、資産形成への取り組みの中で初めてきちんと数字を把握できました。自分自身の資産状況を把握できていなかったことを深く反省しております。
資産形成に取り組むにあたっては、現在のご自身の資産状況を正しく把握することを強くお勧めします。モチベーションが全然変わります。


40代から始める資産形成

これまでのデータを踏まえた、40代から資産形成を始める方へのアドバイスです。
これは私が40代にして資産形成に本気で取り組み始めて学び、実践していることを書いています。もちろん本気のアドバイスですが、鵜呑みにすることなく、自分で勉強を始めるきっかけにしてくれたらと思います。
(ここに書かれていることを実行したことにより何らかの損失等を被った場合でも、一切責任は負えませんのでご了承ください)

40代へのアドバイス

まずはこちらの記事「20代二人以上世帯の貯蓄額・負債額 20代からの資産形成でやるべきこと」から、20代へのアドバイスのうち、できていないことがあれば実践してください。資産形成における最初の1歩です。その後、以下のPointについて検討してみることをお勧めします。
なお、こちらの記事「30代二人以上世帯の貯蓄額・負債額 30代からの資産形成でやるべきこと」で、30代へのアドバイスも確認してみてください。並行で構いませんので、実践していくことをお勧めします。※30代へのアドバイスのうち、NISAの勉強だけは投資を始める前に実施することを推奨。

Point

✅ 投資の必要性を腹落ちするまで勉強しよう!
 →現金貯蓄の最大の敵は「インフレ」です。長らく続いたデフレ脳を変革させましょう。
✅ 資産運用のコアとする「インデックス」を選ぼう!
 →資産運用のコアとすべきは「インデックス投資」である。これが歴史が証明してきた1つの最適解です。自分が信じ続けられるインデックスを1つ選びましょう。
✅ 貯蓄型生命保険の過去成績を確認しよう!
 →自分が信じると決めたインデックスと、貯蓄型生命保険の実績を比較してみましょう。貯蓄型保険は不要だという結論に至るはず。
✅ 投資先に対する握力向上のために勉強は継続しよう!
 →インデックス投資に重要なのは「長期・分散・低コスト」購入時点で未確定なのは「長期」のみ。値動きに驚いて手放さないよう、握力向上に努めましょう。
 ※貯蓄型保険を持ち続けたあなたならできるはずです!?

投資に全振りしたアドバイスになりました。「投資なんてギャンブルだ」とか、「保険は入るのが当たり前だろ」という空気感がまだまだ強い日本ですから、「何のアドバイスにもなってねーよ」と思われる可能性があることは重々承知の上で書いています。でもそれだけ資産形成に「投資」は必須なんです。
「こいつの言ってることを適当な嘘だと暴いてやる」こんな動機でも構いませんので、ぜひご自分で調べてみてください。

貯蓄型保険の評価方法についてはこちらの記事「第3話 本当に必要? 変額保険で利益が出ていてもやめた方がいい理由」で触れていますので参考にしてください。

これまでのデータを見て、「自分は平均以下だなぁ」という人はもちろん、平均以上の貯蓄額を持っている人でも、何となく将来には不安を感じていると思います。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査2023年」では、老後の生活への心配について、「多少心配」と「非常に心配」を合わせて78.5%もの人が不安を感じていることがわかります。
それでも、資産形成について勉強し、実際に取り組み、計画通りに進めることで、この不安はどんどん薄くなっていきます。収入の大小はあまり関係なく、目指す目標がはっきりしていて、着実にそれに向かっているという実感が安心を生むのだと思います。

投資について勉強を始めると、40代は「時間という武器」を何とか使える最後のチャンスの年代だと気づくことができるでしょう。
これからも資産形成に役立つ情報を発信していきたいと思いますので、参考にしてください。

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