30代二人以上世帯の貯蓄額・負債額 30代からの資産形成でやるべきこと

基礎知識向上委員会
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30代の皆さん。老後の自分の暮らしについて、イメージできていますか?
老後なんかより今の暮らしで精一杯だ💢そんな方もいるでしょうか。
この記事では、日本の二人以上世帯における貯蓄額・負債額に関するデータを元に、30代の皆さんが資産形成に取り組もうと思えるように、そして、取り組むにあたってまずはどんなことをやっていけばいいのかについてアドバイスしていきます。
40代にして資産形成にようやく本気で取り組み始めた私が真剣に学んで得た知識を元に、30代だった頃の自分や自分の子供達にアドバイスするとしたらどんなことを伝えるのか。そんな趣旨で30代の皆さんの背中をそっと押せたらいいなと思っていますので、ぜひ参考にしてみてください。

※この記事では特に注記がない場合、以下で公表されている情報を用いています。
  家計調査年報(2023年)貯蓄・負債編(二人以上世帯)

30代二人以上世帯の詳細データ

使用するデータの前提や全体の平均値などはこちらの記事「日本人(二人以上世帯)の貯蓄と負債の現状 資産形成を始めよう!」を参考にしてください。
また、平均年収のデータについてもこちらの記事「日本人の平均年収は? 自分の現在地を確認しよう」で紹介していますので、参考にしてください。

30代の貯蓄額・負債額

こちらが30代二人以上世帯の平均的な貯蓄額・負債額です。
純資産の欄は単純に貯蓄額ー負債額を僕が勝手に追加したデータです。この貯蓄額には不動産などの現物資産は含まれておらず、厳密な意味(簿記的な意味)での純資産ではありません。
詳細データをチェックしてみましょう。

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✅ 調査世帯数:542世帯
✅ 世帯人員:3.62人
✅ 有業人員(世帯あたりの勤労者数):1.63人
✅ 世帯主の年齢:35.3歳
✅ 持家率:70.7%

40代以降と比べると調査対象数が少なく、人口減少や晩婚化の影響などがみて取れますが、平均年齢が35歳のため、30代の二人以上世帯としては満遍なく取れているデータだと思われます。20代との大きな変化は持家率(35%→71%)と世帯人員(2.84人→3.62人)が特徴的です。

世帯人員の増加は18歳未満がほとんどですので、子供が生まれる、または子供が増えるタイミングといったところでしょうか。共働き率は20代からほぼ増えていませんが、「世帯主の配偶者のうち女性の有業率」という項目が20代の48.7%から57.0%に増えていますので、「出産直後から1段落して奥さんが働き始める」といった状況が想定されます。40代以降は世帯人員はほぼ変わらないか減少傾向になるのに対し65歳以上の人員数が徐々に増えていく傾向ですので、子供が巣立ち、親世代が扶養に入るという流れになっていきます。こうした将来の分のデータも参考にしながら、しっかりとライフプランを考えていきましょう。

30代の貯蓄・負債の内訳

貯蓄と負債について、内訳を見ていきます。

では考察していきます。
20代と比較すると「通貨性預金」の割合が低くなる分、「生命保険など」が増えています。(定期性預金・有価証券の割合も増えてはいますが、生命保険などの増加が最も大きい)通貨性預金の比率が下がるとはいえ、金額自体は20代より大幅に増えていますので、収入の増加分をある程度貯蓄に回せているフェーズになります。
ただやはり気になるのは生命保険などの増加が最も大きいことですね。生命保険の増加に比べると、有価証券の増加はわずかですので、「貯蓄型保険」が「有価証券への投資」とほぼ同じであることをまずは正しく認識したいところです。
世代が進むと、有価証券の保有率は変わらず定期性預金の割合が増えていきます。このことから、日本人の資産運用において「投資」を選択する人はまだまだ少数派だということがわかります。
30代は各家庭における状況のばらつきが最も大きくなる年代だと考えられますので、平均値という数字の見た目だけに惑わされることなく、自分に合った資産形成戦略を考えていって欲しいと思います。


30代から始める資産形成

これまでのデータを踏まえた、30代から資産形成を始める方へのアドバイスです。
これは私が40代にして資産形成に本気で取り組み始めて学んだことを、30代の過去の自分に伝えるとしたら。という前提で主観的に書いています。もちろん本気のアドバイスですが、鵜呑みにすることなく、自分で勉強を始めるきっかけにしてくれたらと思います。
(ここに書かれていることを実行したことにより何らかの損失等を被った場合でも、一切責任は負えませんのでご了承ください)

30代へのアドバイス

まずはこちらの記事「20代二人以上世帯の貯蓄額・負債額 20代からの資産形成でやるべきこと」から、できていないことがあれば実践してください。資産形成における最初の1歩です。その後、以下のPointについて検討してみることをお勧めします。

Point

✅ 固定費を必要最低限に抑えよう!
 →生命保険・自動車保険など、加入した当初と状況が変わっていませんか?
 →通信費やサブスクなど、月々の支払額に見合うメリットは受けられていますか?
✅ 投資を始めてみよう!
 →資本主義社会の仕組みを勉強し、実際に投資を始めてみましょう。キーワードはインデックス投資です。
✅ ライフプランを設計しよう!
 →子育てについて将来を見通せるようになる時期です。ライフプランについて具体的に考えてみましょう。
✅ 税金や社会保障制度について勉強しよう!
 →世の中には「知らないと損」な情報がたくさんありますが、誰も積極的には教えてくれません。自ら情報を取りに行きましょう。

それぞれの詳細については、これから記事を増やして解説していきたいと思います。
保険の見直しについてはこちらの記事「第3話 本当に必要? 変額保険で利益が出ていてもやめた方がいい理由」で触れていますので参考にしてください。

これまでのデータを見て、「自分は平均以下だなぁ」という人はもちろん、平均以上の貯蓄額を持っている人でも、何となく将来には不安を感じていると思います。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査2023年」では、老後の生活への心配について、「多少心配」と「非常に心配」を合わせて78.5%もの人が不安を感じていることがわかります。
それでも、資産形成について勉強し、実際に取り組み、計画通りに進めることで、この不安はどんどん薄くなっていきます。収入の大小はあまり関係なく、目指す目標がはっきりしていて、着実にそれに向かっているという実感が安心を生むのだと思います。

投資について勉強を始めると、30代は「時間という武器」をまだまだ十分活かせる年代だと気づくことができるでしょう。40代の私には羨ましい限りです。
これからも資産形成に役立つ情報を発信していきたいと思いますので、参考にしてください。

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