FANG+で投資してもいい。でもインデックス投資をしたい人には向かない理由

基礎知識向上委員会

こんにちは、飛雄です。

今回は、最近よく見かける
「FANG+に1本集中投資する」というスタイルについて、

FANG+で運用したい人を否定するつもりはない
・ でも、インデックス投資をしているつもりでFANG+を選ぶのは間違い

この2点を、できるだけ冷静に整理してみたいと思います。

結論から言うと、
FANG+は指数連動型ではあるものの、本質的にはアクティブ運用に近い商品です。
だから、長期の資産形成で「インデックス投資」をやりたい人のメイン投資先には向きません。


結論|FANG+はインデックス投資ではなく、実質アクティブ運用

FANG+は10銘柄に分散された指数ではありますが、

  • 市場全体を網羅していない
  • 時価総額加重でもない
  • 固定銘柄・恣意的な入替ルールが存在する

という点で、
本来の意味でのインデックス投資(passive運用)とは構造的に異なります。

テーマ型・集中投資として割り切って使うならアリですが、
「オルカンやS&P500の代わり」として使うのは、性質がまったく違う投資行動です。


なぜ「FANG+1本投資」に違和感を覚えたのか

実際にあった友人のエピソード

2025年末、最近投資を始めた友人がこんなことを言っていました。

「資産形成には投資が必要って聞いて、
NISAの成長投資枠で240万円分FANG+を買ったんだよ。
今は資産2000万円くらいだけど、将来的には1000万円くらい投資に回したい。
来年のNISA枠も全部FANG+でいく予定。
最近足を引っ張ってる銘柄もあるけど、NVIDIA信者だから大丈夫でしょ。」

しかもこの友人、3か月前に仕事を辞めて、現在ニート生活中です。


合理的投資行動からズレている3つのポイント

この話を聞いて、個人的に引っかかったのは次の3点です。

✅ FANG+は一般に言われるインデックス投資より、アクティブ運用に近い
✅ 「NISAがあるから投資する」は順番が逆
✅ 時間分散は「合理的な投資」の観点からは気休めでしかない

FANG+で運用すること自体を否定するつもりはありません。
でも、「自分が何をやっているか」を正しく理解しないまま投資している状態には、かなりの不安を感じました。

そこで今回は、
FANG+は本当にインデックス投資なのか?
という点を、構造から整理してみます。

あとの2点も別記事でまとめていますのでこちらも参考にしてください。


そもそもインデックス投資とは何か

オルカン(MSCI ACWI)やS&P500連動ファンドへの資金流入を見ると、
「資産形成は長期インデックス投資が合理的」という考え方は、かなり一般化してきました。

ただしここで注意したいのは、

「指数に連動している=インデックス投資」ではない

という点です。


本来の意味での「passive運用」

1976年、世界初の個人向けインデックスファンドを立ち上げたジョン・ボーグルが提唱したのは、

市場平均をそのまま受け取りにいく投資

という思想でした。

当時の代表例が、
アメリカ市場全体をカバーするS&P500指数です。

このように、

  • 市場全体を幅広くカバーし
  • 銘柄選定に恣意性を入れず
  • 時価総額加重で
  • 低コスト・低回転率で保有する

こうした運用を、passive運用(インデックス投資の本質)と呼びます。


なぜ「指数に連動=インデックス投資」ではないのか

現在、世界には数万本規模の株式指数が存在します。

しかしそのすべてが、

  • 市場平均をそのまま再現する
  • 投資家の判断を極力排除している

とは限りません。

実際には、

  • 特定テーマに集中した指数
  • 成長株だけを集めた指数
  • ボラティリティを下げるよう加工された指数

など、指数という形を取ったアクティブ戦略も大量に存在しています。

つまり、

・「指数連動型」であることと
・「インデックス投資」であることは
本質的に別物です。


FANG+指数の中身を冷静に見てみよう

では、本題のFANG+指数を構造から見てみます。


構成銘柄と運用ルール

FANG+は、以下の10銘柄に均等加重で投資し、3か月ごとにリバランスを行う指数です。

FANG+構成銘柄

原則固定の6社

  • Meta Platforms(メタ/旧Facebook)
  • Amazon.com(アマゾン)
  • Apple(アップル)
  • Netflix(ネットフリックス)
  • Microsoft(マイクロソフト)
  • Alphabet A(グーグル)

入替対象の4社

  • NVIDIA(エヌビディア)
  • Broadcom(ブロードコム)
  • CrowdStrike(クラウドストライク)
  • Palantir Technologies(パランティア)

FANG+の採用基準(2022年10月以降)

現在の採用条件は次のように定められています。

  • 米国主要取引所(NYSE / NASDAQなど)に上場
  • テクノロジー・ネット関連ビジネス中心
  • 時価総額50億ドル以上
  • 上場後60日以上の取引履歴
  • 過去6か月の平均日次売買代金が5,000万ドル以上

これらの条件を満たす銘柄の中から、
指数算出会社が判断して構成銘柄を選定します。


FANG+がインデックス投資と呼べない理由

では、インデックス投資の定義に照らして、FANG+はどこが異なるのか。

僕なりに整理すると、主に次の4点です。


分散が極端に不足している

FANG+は10銘柄のみで構成されており、
セクターも米国テック・通信・消費者ITに大きく偏っています。

これは「市場全体の平均リターンを取りに行く」構造ではありません。


固定銘柄が存在する

6銘柄が原則固定されている時点で、
指数でありながら、明確な裁量ルールが組み込まれています。

これはpassive運用とは相容れない設計です。


時価総額加重ではない

FANG+は均等加重です。

つまり、

  • 時価総額が小さい銘柄ほど相対的に大きな影響を持ち
  • 市場全体の構造をそのまま反映する仕組みではない

という特徴があります。


恣意的な入替基準が存在する

採用基準は形式上は公開されていますが、

  • どの銘柄を選ぶか
  • どのタイミングで入れ替えるか

には、指数算出会社の判断が介在します。

これは、「市場の構成を機械的に再現する」というpassive運用とは本質的に異なります。


以上を踏まえると、
FANG+は指数連動型商品ではあるものの、運用の本質はアクティブ戦略と捉えるのが合理的です。


それでもFANG+を選ぶのは「悪」なのか?

ここまで読むと、

「じゃあFANG+はダメなの?」

と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

FANG+は、

  • 成長性の高い米国テック企業に集中投資したい人
  • ボラティリティを許容できる人
  • 市場平均を上回るリターンを狙いたい人

にとっては、非常によく設計されたテーマ型・集中投資商品です。

問題なのは、

👉 インデックス投資をしているつもりでFANG+をメインに据えること

です。

これは、

  • リスク構造
  • 期待リターンの分布
  • 下落局面での耐性

すべてにおいて、
オルカンやS&P500とはまったく異なる投資行動になります。


まとめ

FANG+で運用したい人を、僕は否定しません。
しかし、

「インデックス投資をしたいからFANG+を選ぶ」

というのは、投資対象の性質を取り違えていると感じます。

インデックス投資とは、本来、

  • 市場全体を
  • 恣意的な判断を排除して
  • 低コスト・低回転率で
  • そのまま受け取りにいく運用

です。

FANG+はこの条件を満たしておらず、
構造的にはテーマ型・集中型のアクティブ運用に分類されます。

だからこそ、

  • 市場平均を取りに行きたいなら → オルカンやS&P500
  • 成長株に集中投資したいなら → FANG+

と、目的に応じて商品を選ぶことが重要です。

どちらが正しいかではなく、
「自分が何を狙っているか」と商品特性が一致しているか。
そこが、長期投資でいちばん大切なポイントだと思います。

指数選びの参考にはこちらの記事をどうぞ。インデックス投資家に大人気の指数であるMSCI ACWI(オルカン)・S&P500・NASDAQ100について、各インデックスのリターンとリスクのバランスを比較。隣の芝生が青く見える理由を解明し、あなたが自信を持って投資を続けるための最適解を提案します。

「信じるインデックスを決めた!でもどのファンドがいいんだろう?」そんな方はぜひこちらもご覧ください。

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