将来に差がつく!「人的資本」をお金に変える力とは?

基礎知識向上委員会

こんにちは、飛雄です。
今回のテーマは、社会人として羽ばたく前に知っておきたい「人的資本(じんてきしほん)」について。


「人的資本とは何か」そして「どう活かせば将来の差になるのか」を一緒に考えていきましょう。


1.「資本」ってそもそも何?

まずは「資本」という言葉から確認しておきましょう。
経済ニュースや授業でも耳にしますが、なんとなく「お金のこと」と思っていませんか?

実は資本とは、将来の収入や成果を生み出すための元手のこと。

たとえば、企業の「資本金」。
これは会社が設備を買ったり、事業を回したりするための元手です。
つまり「会社の資本=お金という道具を使って成果を生み出す力」ということですね。

では、人にとっての資本とは何でしょうか?


2.人的資本とは「自分の中にある、稼ぐ力のもと」

お金や機械が“モノの資本”なら、
人的資本は“人の中にある資本”。
つまり、自分の中にある稼ぐ力です。

たとえば――

  • 英語が話せる
  • パソコンが得意
  • 人と話すのが上手
  • 最後までやり切る力がある

こうしたスキルや経験、考え方のすべてが人的資本です。

そして、ここが大事なポイント。
人的資本は“努力で増やすことができる”んです。
一度就職して終わりではなく、学び続けることで、どんどん育っていきます。


3.人的資本は「人間の価値」ではない

ここで絶対に勘違いしてほしくないことがあります。
人的資本は人としての価値を決めるものではありません

英語ができる・できない、数学が得意・苦手。
それは単に「今の状態」や「学んできたことの違い」であって、
どちらが偉いという話ではないのです。

ゲームにたとえるなら、
みんなが違うキャラクターを使っているだけ。
攻撃力が高い人もいれば、防御力が高い人もいる。
大事なのは、自分のキャラの強みを知って、どう育てるかです。


4.自分の「人的資本」を客観的に見つめよう

人的資本を考えるときに大切なのは、感情を入れすぎないこと。
「自分はダメだ」「あの人はすごい」と比べるのではなく、
“今の自分にはどんなスキルや経験があるか”を冷静に見つめることです。

たとえば――

「人と話すのは苦手だけど、文章を書くのは得意」

そう思うなら、営業職よりも広報やライターの方が向いているかもしれません。
自分のスキルを“棚卸し”して、どんな仕事で活かせるかを考える。
これが「人的資本の見える化」です。

もちろん、苦手を伸ばすことも可能。
勉強や練習を重ねれば、どんなスキルも育てられます。
それが「自己投資」。

お金を使わなくても、時間をかけて学ぶことも立派な自己投資です。
焦って怪しい高額商材に手を出す必要はありません(笑)。
得意なことを伸ばす方が楽しく続けられますし、成果も出やすいですよ。


5.「人的資本の金額」をグラフで見ると?

では、人的資本を“お金の視点”から見てみましょう。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(令和6年)」をもとに、
高卒・大卒の平均年収を年齢ごとに並べ、
その年齢以降に稼げる総収入を折れ線で表したグラフを作ると、
年収は年齢とともに上がっていく一方、
「これから稼げる総額」は年齢とともに下がっていきます。

この折れ線こそが、「残りの人的資本」=将来の稼ぐ力を金額で表したものです。

たとえば、高校卒業後に平均的な企業へ就職した場合、
入社時点での人的資本はおよそ2億2千万円ほど。
ただしここから税金や社会保険料を引くと、
実際の手取りは約1億5千万円前後となります。

金額だけ見ると大きく感じますが、
生活費や家族の支出を考えると、実は決して余裕があるとは言えません。
だからこそ、若いうちから「金融リテラシー」を身につけておくことが重要なのです。


6.人的資本を「他の資本」に置き換えていく

人的資本=「自分の中の力や経験」は、
いつまでも自分の中にしまっておくだけではもったいない。
社会に出たら、それをお金や成果に変えていく時期に入ります。

そのうえで得た収入を、どう使うかが次の分かれ道です。

  • スキルや健康、人脈などへの再投資
  • 自分や家族の幸福度を上げる消費
  • 将来の安定を生む金融資本(投資)

このバランスを意識的に設計することが、将来の安定につながります。

ポイントは3つ。

  1. 自己投資は収入アップにつながらなければ浪費になってしまうこと
  2. 消費は悪ではなく、幸福度を高める目的ならむしろ良い使い方であること
  3. 投資にのめり込みすぎて心身を壊してしまっては本末転倒であること

人的資本 → 収入 → 金融資本
この流れを自分でコントロールする意識を持ちましょう。


7.まとめ:「人的資本」は未来への設計図

人的資本とは、自分の中にある価値を未来へつなげるための設計図です。
他人と比べるためではなく、
「今の自分の力を、いつ・どんな形に変えていくか」を考えるためのもの。

学生のうちは「育てる時期」。
社会人になったら「稼ぐ時期」。
そして、得たお金を「資産に変える時期」。

この流れを意識して行動することが、
自分の未来を安定させ、豊かにする最良の戦略になります。

金融リテラシーを学ぶことも、立派な自己投資。
人的資本を増やす第一歩として、今日から一緒に学んでいきましょう。


✳️この記事のポイント

  • 人的資本=自分の中にある稼ぐ力
  • 努力や学びでいくらでも増やせる
  • 人的資本は人間の価値ではなく、成長の設計図
  • 「人的資本 → 収入 → 金融資本」の流れを意識する
  • 金融リテラシーの学びも最高の自己投資

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