教育費の貯め方|学資保険・NISA・預貯金を「使う時期」で組み合わせる

「教育費はいくら必要か」と検索すると、1,000万円とも2,000万円とも出てきます。
数字の幅が大きすぎて、かえって何も手が打てなくなっていないでしょうか。

正直に言うと、僕自身、長女が大学に入るまで「準備不足」でした。
学資保険は妻が考えてかけてくれていましたが、それだけでは全額カバーできない。
長女は私立理系も検討していましたが、結果的に国立文系大学に進んでくれた。
あの選択がなければ、今の資産形成はできていません。

この記事では、教育費を「いつ使うか」で3つの手段に分け、組み合わせる方法を整理します。

👉 教育費は「総額」で考えると手が止まる。「使う時期」で手段を分ければ、今日から準備を始められます。

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目次

教育費は「いくら」ではなく「いつ、いくら」で整理する

幼稚園〜大学までの教育費の目安

文部科学省「子供の学習費調査」等をもとに、段階別の目安を整理します。

段階公立私立
幼稚園(3年)約50万円約92万円
小学校(6年)約211万円約1,000万円
中学校(3年)約162万円約430万円
高校(3年)約155万円約316万円
大学(4年・学費のみ)国立 約243万円私立文系 約408万円 / 私立理系 約551万円

✅ すべて公立+国立大学のルートでも、幼稚園から大学卒業までに約820万円かかります。
私立が混じると1,500万円を超えることも珍しくありません。

ただし、この数字は18年間の累計です。
一括で用意する必要はありません。
大事なのは「いつ、まとまった金額が必要になるか」です。

2026年度から高校授業料無償化が拡充

2026年度から、高等学校等就学支援金の所得制限が撤廃されています。
これまで年収910万円以上の世帯は対象外でしたが、全世帯が公立高校の授業料実質無料の対象になりました。

高校段階の負担は軽くなる方向です。
だからこそ、準備のエネルギーは次の「大学」に集中させるべきです。

本当に備えるべきは「大学入学前後の集中支出」

教育費で最も家計に響くのは、大学入学の前後です。

  • 受験費用(複数校受験で30〜50万円)
  • 入学金+初年度授業料(国立で約82万円、私立理系で約150万円超)
  • 一人暮らしの初期費用(家具・家電・引越しで50〜100万円)

これが数ヶ月の間に一気にやって来ます。
「毎月の収入から出す」では間に合いません。

👉 大学入学前後の200〜300万円をどう確保するか。これが教育費設計の核心です。

教育費を貯める3つの手段|使い分けの基準は「時間」

預貯金 — 3年以内に使うお金はここ

元本割れしない。いつでも引き出せる。
3年以内に確実に使う教育費——受験費用・入学金・引越し費用など——は、預貯金で確保するのが鉄則です。

利率は低くても「確実に手元にある」ことが最優先です。
教育費用の専用口座を1つ作り、生活費と混ぜないことをおすすめします。

なお、教育費とは別に生活防衛資金も現金で確保しておく必要があります。
生活防衛資金はいくら必要?2026年・物価高とNISA満額時代の最低ライン

学資保険 — 元本保証の安心感にはコストがある

学資保険は「満期まで持ち切れば元本+αが戻る」商品です。
契約者(親)が死亡した場合に以降の保険料が免除される仕組みもあります。

ただし、返戻率(払った保険料に対して受け取れる金額の割合)は近年の商品でも105〜108%程度。
15年かけて元本が5〜8%増えるだけ。
年換算利回りにすると0.3〜0.5%です。

途中解約すれば高確率で元本割れします。
これは商品設計としてそうなっているもので、「予想外のリスク」ではありません。

学資保険の実態と、同じ金額をNISAで積み立てた場合の差については別記事で検証しています。
大学費用が必要になるまでに10年以上あれば、学資保険は非効率な選択肢です。
学資保険 vs こどもNISA|同じ165万円で448万円の差が出た理由

ここで一つ、僕自身の話をします。
妻が加入してくれた学資保険に、僕は助けられました。
当時は投資の知識がなく、「元本保証で子供のためになるもの」を選ぶのは合理的な判断でした。
資産形成について本気で学んだ今の知識があれば使わなかったと思いますが、あの判断を否定する気はありません。
妻には感謝しています。

NISA — 10年以上先に使うお金なら第一選択

使うまでに10年以上あるなら、NISAでインデックスファンド(世界中の株式に分散投資する投資信託)を積み立てるのが最も効率的です。

NISAとは、投資で得た利益に税金がかからない制度です。
通常は約20%の税金がかかる運用益が、NISAなら非課税になります。

月1万円でも18年積み立てれば元本216万円。
年利5%想定で約349万円になります。

2027年1月からは「こどもNISA(正式名称:未成年者特定累積投資勘定)」もスタートします。
0〜17歳の子供名義で年60万円まで非課税投資が可能です。

ただし、まずは親のNISA枠で始めれば十分です。
親のNISA枠が埋まるレベルの余裕があるなら、こどもNISAを上乗せで使う。
この順番で考えてください。

👉 「いつ使うか」で手段が決まる。3年以内なら預貯金、10年以上先ならNISA。迷ったらこの基準で選べば外しません。

「使う時期で分ける」考え方は教育費に限りません。貯金と投資の配分全般に使えるフレームです。
「貯金と投資の割合」に正解はない|使う時期で分ければ迷わない

児童手当を「教育費の種銭」にする

総額でいくらもらえるか

2024年10月の改正で、児童手当は所得制限が撤廃され全世帯に支給されるようになりました。

年齢月額(第1子・第2子)月額(第3子以降)
0〜2歳1.5万円3万円
3歳〜高校卒業1万円3万円

✅ 第1子・第2子の場合、0歳から高校卒業まで受け取る総額は約234万円です。

この234万円、生活費に混ぜていませんか。

正直に言うと、僕は混ぜていました。
赤字家計ではなかったので実質的にはほぼ貯蓄に回っていましたが、意識的に投資へ回す設計にはなっていなかった。
今の環境であれば、NISA一択です。

児童手当を全額NISAに回すとどうなるか

月1万円を18年間、年利5%で積み立てた場合の試算です。

項目金額
積立総額(18年間)216万円
18年後の評価額(年利5%想定)約349万円
運用益約133万円

3歳未満の増額分(月1.5万円)を加味すれば、もう少し上振れします。

「もらったら証券口座へ」と自動化するだけで、大学入学時に約350万円。
国立大学なら入学から卒業までの学費をほぼ賄える計算です。

👉 児童手当は「使わないお金」。NISAに回す仕組みを最初に作ってしまえば、18年後に大きな差になります。

家庭のかたちに合わせた組み合わせ例

共働き・子供1人(月3万円確保できる場合)

手段月額目的
NISA2万円大学費用(18年後)
預貯金1万円受験・入学金(3年前から積み増し)

児童手当(月1〜1.5万円)もNISAへ。
18年後には合計600万円超が視野に入ります。
私立理系でも学費の大部分をカバーできる水準です。

片働き・子供2人(月1.5万円が限界の場合)

手段月額目的
NISA1万円大学費用
預貯金5,000円直近3年の教育支出

少額でも「始める」ことが大事です。
月1万円でも18年続ければ約349万円。
児童手当を合わせれば、1人あたり300万円超は確保できます。

すでに学資保険に入っている場合

途中解約は元本割れします。
加入から数年で解約すると、払った額の半分以下しか戻らないこともあります。

判断基準はシンプルです。

  • 満期まで5年以内 → そのまま持ち切る
  • 満期まで10年以上 → 解約してNISAに切り替える選択肢を検討する
  • 間(5〜10年) → 返戻率と機会費用を比較して判断

解約を焦る必要はありません。
まずは学資保険とは別にNISAを始めて、併用するところから。
これで十分です。
保険の見直し手順を具体的に知りたい方はこちら:貯蓄型保険の見直し。その具体的方法

月の積立額は「相場」ではなく、目標額から逆算するのが本筋です。
「月3万円」で間に合う?最終目標額から逆算する”自分の歩幅”の作り方

まとめ。教育費は「使う時期」で手段を分ける

✅ 3年以内に使う → 預貯金
✅ 10年以上先 → NISA
✅ その間 → 状況に応じて預貯金とNISAを併用
✅ 児童手当 → NISAへ自動化

この4つだけ押さえておけば、教育費の設計は動き出します。

ここまでの前提を踏まえた上で、もう2つだけ伝えておきたいことがあります。

奨学金の金利が静かに上がっている

JASSO(日本学生支援機構)の第二種奨学金(有利子型)の利率固定方式は、2026年2月時点で2.5%です。
5年前の0.2%から10倍以上になっています。

しかも奨学金の金利は「卒業時の金利」が適用されます。
在学中に金利が上がっても、確定するのは卒業してから。
金利上昇が続けば、借りた時点の想定と大きくずれるリスクがあります。

だからこそ、親子でお金の話ができる関係を作っておくことが重要です。

「大学費用はこれだけ準備してある。奨学金を借りるならこういう条件になる。」
この会話ができるかどうかで、子供の選択の質が変わります。

大学が全てではない時代

教育費を準備する目的は「子供の将来の選択肢を広げること」です。
その前提に立つと、大学だけが選択肢ではありません。
ホワイトカラーの仕事がAIで変わりつつある今、「とりあえず大学」が最適とは限らない。
専門学校や職業訓練、起業も含めて、子供と一緒に考える。

教育費の「準備」とは、お金を貯めることだけではありません。
子供の進路と家計の設計を、分けずに考えること。
これが本当の意味での準備だと思っています。

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【免責事項】
本記事は筆者の個人的な見解・実体験にもとづく情報提供を目的としており、投資・保険の勧誘を目的としたものではありません。投資にはリスクが伴います。実際の投資判断はご自身の責任において行ってください。特定の金融商品・サービスの購入を推奨するものではありません。
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この記事を書いた人

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