長期的な資産形成を考えたとき、多くの人がインデックス投資という最適解に辿り着くはずです。
そしてこう思うんです。「同じ指数に連動するファンドがこんなにたくさんあるんだ。結局どれを買うのが正解なんだ?」と。
今回は、投資するインデックスをS&P500に決めた!
そんな方に向けて選択肢を大幅に絞り込み、あなたにあったファンドを見つけられる記事になっています。ぜひ最後までご覧ください!
✅王道:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・迷ったらコレ。実績・純資産ともに最強。
✅次点:楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド
・楽天証券ユーザーならコレ。超低コストでSlimに迫る実力。
✅まあ誤差の範囲
・はじめてのNISA・米国株式インデックス(S&P500)
・たわらノーロード S&P500
・My SMT S&P500インデックス(ノーロード)
・JAバンクよりそいノーロード米国株式 S&P500
※なぜこの結論になるのか?実際のデータ比較は本文をご覧ください。
比較対象:つみたて投資枠で購入できるS&P500連動のファンド
今回比較対象とするのはNISAつみたて投資枠で購入できるS&P500連動のファンドです。
その一覧がこちら

つみたて投資枠は金融庁が長期投資に適したファンドを厳選してくれているんですが、S&P500だけでその数なんと20本!指数を決めるにも色々考えることがあって大変なのに、こんなにあったら嫌になっちゃいますよね。これらのファンドは米国上位500社に分散投資できる「S&P500」という指数(インデックス)に連動するよう運用されます。
行動経済学では、「人間は選択肢が多すぎると選べない」という“ジャムの法則”が有名です。
「いっぱいありすぎてわかんないからやーめた」とならないよう、この記事を読んで最適な1本を選び出してくださいね!
投資信託の選び方は「実質コスト(運用成績)」で決まる
同じ指数に連動するならどれでも同じじゃないの?そう思うかもしれません。実際投資系のインフルエンサーでもそう言っている人は多いですし、本質的にはその考えで大丈夫です。
それでもやっぱり優劣はあって「これから購入するファンド」については少しでも優秀なファンドを選びたい。そんな気持ちは大切にしたいです。
じゃあ何を基準に選べばいいのか?
それはズバリ「コスト(=手数料)」です。
S&P500では名前の通り500社の株式で運用してもらうわけですから、そこには当然人件費や売買コストがかかります。また、運用報告書や目論見書の作成といった費用も発生します。コストを把握しようとしたら、基本的には目論見書などで確認することになりますが、”隠れコスト”と呼ばれる「運用してみないとわからないコスト」なんかも存在します。
これらを一つひとつのファンドの目論見書や運用報告書で確認して行くのはめちゃくちゃめんどくさいし、そのコストの差が実際の運用成績にどの程度影響しているのかは全然イメージできないと思います。
これらのコストは、結局のところ「基準価額」に返ってくることで運用成績に反映されるので、この基準価額の推移で直接比較をしていきます。
比較方法
とはいえ、単純に基準価額の推移を示すチャートを描くとこんな感じになります。

これじゃどのファンドの成績がいいのか全然わかんないですね。投資信託の基準価額は基本的に10,000口当たりの評価額で示され、そのファンドの設定日に10,000円でスタートします。このため、設定日が1日でもずれれば、基準価額そのもので成績を比較することができません。
そこで今回は、比較対象期間のうち、最も設定日の古いファンドの日々の騰落率を基準とし、比較対象のファンドがそれをどれだけ上回った(下回った)かを累積するグラフを作成して評価しました。
文章ではわかりにくいので、早速対象ファンドの運用成績を比較していきましょう!
【6年比較】S&P500インデックスファンドの実質リターン差を検証
ではまずは直近6年の運用成績を比較していきます。
つみたて投資枠対象ファンドで6年以上の実績があるのは6本。
これらの運用成績をグラフ化したものがこちら。

7本の中で最も純資産総額の大きい、つまり一番人気の高いeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を基準に、日々の騰落率にどれだけ差があったかを算出し、その差を6年間累積したグラフです。
見方としては、2020年1月1日にeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と農林中金<パートナーズ>つみたて米国株式 S&P500を同じ金額分購入したら、6年後の評価額には3%の差がついていた。ということになります。
金額ではどれくらいの差が出るか
6年間で3%ならそんなに大した差じゃないなと思うかもしれませんが、運用結果の差なので結構大きいです。実際に金額で考えてみましょう。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を2020年1月1日に100万円分持っていた場合、6年後の2025年末には333万円になっていました。同じように農林中金<パートナーズ>つみたて米国株式 S&P500を100万円分持っていたら323万円で10万円の差がついたことになります。運用金額が1,000万円なら100万円の差です。結構大きいですよね!運用期間が長ければ長いほど、この差はどんどん広がっていきます。
もう少し実際の運用に近い例を見てみましょう。3%を年利換算すると0.49%になります。100万円をeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)で30年間、年利7%で運用できたとすると、761万円になります。これが農林中金<パートナーズ>つみたて米国株式 S&P500だと、年利が7-0.49で6.51%になり、30年後の評価額は663万円。同じ指数を信じ、同じリスクを取ったのに、約100万円もの差が生まれてしまうんです。
先ほどのグラフの青い線、iシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンドが特徴的なんですが、途中で曲がって基準であるeMAXIS Slimと平行に進んでいます。このグラフで大事なのは傾きなので、iシェアーズのコストがこのタイミングで下がったことがわかります。(信託報酬を0.4125から0.0938%へ引き下げています)
このように価格競争によってファンドごとのコストは変化することもありますし、新たに設定されるファンドもありますので、コストだけを比較する場合はより最近の実力で比較が必要になります。
ということで次は直近3年の比較をしていきましょう。
【3年比較】S&P500インデックスファンドの実質リターン差を検証
では早速3年実績を比較したグラフです。

6年比較のグラフに6本が追加になりましたが、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の成績を上回ることはできませんでした。
信託報酬の引き下げを実施したiシェアーズが序盤健闘していますが、2023年3月のeMAXIS Slimの信託報酬引き下げ(0.0968→0.09372(純資産額が増えるほどさらに下がる設計))により、じわじわと逆転された形になっています。
eMAXIS Slimシリーズは「業界最低水準のコストを将来にわたってめざし続ける」をコンセプトにしており、2025年1月に更なる引き下げを実施しています。投資家にとって非常に嬉しいコンセプトですね!
ちなみに直線的なグラフとギザギザしたグラフがあるのは、運用方法の違いによるものです。ギザギザしているファンドはETFを買い付けているファンドですね。買い付けているETFでもコストが発生しますが、トータルで基準価額に反映されるという点は変わりませんので、トータルの傾きだけ気にする感じで大丈夫です。
続いては、直近1年の比較をしていきます。果たしてeMAXIS Slimの牙城を崩すファンドの登場はあるのでしょうか。
【1年比較】S&P500インデックスファンドの実質リターン差を検証
1年比較のグラフはこちら。

インデックスオープン・アメリカ株式の運用に安定感がなさすぎて他のファンドのグラフが見えにくくなってしまいましたので、このファンドを削除したグラフを再掲します。

2023,2024の2年間で新たに設定されたファンドは6本。2025年末にeMAXIS Slimを上回れたファンドはないものの、グラフから削除したインデックスオープン以外の5本はどれもしっかりと低コストで運用されています。
eMAXIS Slimとの差が0.1%以内に収まっているファンドを赤枠で囲んであります。これがeMAXIS Slim含め9本。このあたりであれば、コスト的にはどれを選んでも大差ないと考えていいでしょう。
最後は最も新しいJAバンクよりそいノーロード米国株式 S&P500が設定されて以降の直近5ヶ月で比較していきましょう。
【5ヶ月比較】S&P500インデックスファンドの実質リターン差を検証
あまり短い期間では正しい評価はできないのでは?という意見もあるかもしれません。
実際、株価や基準価額のチャートで比較する場合や、異なる指数を比較する場合はできるだけ長い期間で評価するのがベストです。
ただ今回は同じ指数に連動するファンドのコスト比較がメインなので、「直近の実績」というのも注目に値すると考えています。
5ヶ月に設定した理由は、2025年に新たに設定されたファンドを比較対象に含めた上でできるだけ長い期間を比較するためです。先ほど優秀だった9本の直近成績も気になるということで、早速比較していきましょう!

年利換算でeMAXIS Slimとの差が0.1%以内に収まりそうなファンドは6本に減少しました。新たに設定されたJAバンクよりそいノーロード米国株式 S&P500もきっちり入ってきましたね。
ただこの比較で重要なのはグラフの「傾き」なので、基準にした日の直後の上振れからの下がり方的に年利0.1%以内を継続できるかは際どいところです。
1年比較と比べての変化は、やはりeMAXIS Slimの信託報酬の低さによるところが大きいです。2025年1月に大幅な引き下げがあったこともありますが、eMAXIS Slimの信託報酬は純資産総額が増えれば増えるほど保有金額あたりのコストが下がっていくよう設計されていることにより、徐々に差が開いてきていることが要因になっています。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の信託報酬(目論見書より引用)
これを書いている時点(2026.1.17)時点で純資産総額は国内投資信託トップの10兆円を超え、さらにコストが下がっていきます。
結論:NISAでおすすめのS&P500連動株式ファンドはこれだ!
ではS&P500編の結論です。結局どのファンドを選ぶべきなのか。

今回は最もコストの低いeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を基準とし、年率換算でコストの差がマイナス0.1%以内に収まる想定のファンドを⭕️、マイナス0.2%以上になる想定のファンドを❌、その間のファンドを△としました。
おすすめファンド6選
1 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
みんな大好きeMAXIS Slimシリーズ。将来にわたって分類最低コストを目指し続けると公言されていること、純資産総額が最も大きく隠れコストも極限まで抑えられることが特徴です。
2 楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド
直近ではeMAXIS Slimと遜色ないコストで運用できており、買って後悔することはないかなと思います。今回比較した19本のうち設定日は後ろから4番目ですが、純資産額は3位と申し分ありません。
3 その他の⭕️しるしのファンド(4本)
eMAXIS Slimと比較し、年利の差が0.1%以内に収まることが想定されるファンドです。できれば上記2本のどちらかに投資したいですが、まあ誤差の範囲と言えるでしょう。
その他のファンドの特徴
❌マークをつけたファンドは、今から買うなら絶対選んじゃダメなファンドです。インデックスファンドを買うということは長期運用が目的のはずです。年利で0.2%以上のコスト差はかなり大きいですからね。
※これらファンドを批判する意図はありません。設定が古く、当時としては画期的で優良なファンドでした。投資環境はここ数年で劇的に良くなってきていますので、情報をアップデートしていきましょう。また、すでに持っている方は基本的に焦って売る(買い換える)必要はありません。
△マークをつけたファンドは「悪いファンドってわけじゃないけど、積極的に選ぶ必要はないかな」くらいの温度感です。ただ、これらのファンドが購入出来る金融機関であれば、その多くで⭕️しるしのファンドも購入出来るんじゃないかと思います。これから買う分については見直してもいいですね。
まとめ
今回はアメリカを代表する500社に時価総額加重平均で投資するS&P500に連動するファンドの運用実績について徹底比較してきました。
一番人気のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)か、楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンドを選んでおけば間違いはないという結果になりました。人気のファンドがなぜ人気なのか、わかる結果になりましたね。
他にも十分低コストで運用してくれるファンドが4本も。ユーザーにとって恵まれた投資環境であることは間違いありません。
S&P500に投資したいけど、いっぱいありすぎてどれを選んでいいかわからない。そんな方にも少しでも良いファンドに投資するための参考にしていただければと思います。
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