量子革命(量子関連 世界株式戦略ファンド)の評判は?|本命の量子株5社は1年で7割下落、中身の3分の2は半導体だった

量子コンピューターは、今のスーパーコンピューターが何千年もかかる計算を、数分で終わらせるかもしれない。
そんな話を、ニュースで目にする機会が増えました。

その「量子」を名前に掲げた新しい投資信託が、11月6日に設定されます。
三井住友DSアセットマネジメントの「量子関連 世界株式戦略ファンド」、愛称は量子革命。
取り扱うのはSMBC日興証券だけで、10月21日から募集が始まります。

窓口や営業の電話で、もう勧められた人もいるはずです。

先に立場を書いておきます。
僕はこのファンドを買いません。

量子技術がダメだと思っているからではありません。
販売用資料に載っている中身を開くと、「量子の会社」に当たる部分が2割しかないからです。

結論から言うと、量子革命の中身の3分の2は、量子ではなく半導体と通信の会社です。

量子が本業の5社は、この1年で株価が6〜8割下がりました。
それを、購入時3.3%・毎年1.793%のコストで買う商品です。

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この記事でわかること
  • 量子革命の骨格(運用会社・コスト・NISA・決算)
  • 販売用資料のモデルポートフォリオから見た、中身の内訳と上位10社
  • 本命の量子株5社が、この1年でどう動いたか
  • 100万円を入れたら、コストがいくらかかるか
  • 勧められたときに、窓口で聞いていい質問
目次

量子革命(量子関連 世界株式戦略ファンド)とは|まず骨格を数字で見る

評価の前に、商品としての骨格を並べます。

項目内容
正式名量子関連 世界株式戦略ファンド(愛称:量子革命)
運用会社三井住友DSアセットマネジメント
実際の運用カンドリアム(ベルギーの運用会社・ニューヨークライフ傘下)
販売会社SMBC日興証券のみ
募集期間・設定日2026年10月21日〜11月5日/11月6日設定
購入時手数料3.3%(1億円未満)
信託報酬年1.793%
決算年1回(11月1日)・分配は極力抑える方針
NISA成長投資枠のみ(つみたて投資枠・iDeCoは対象外)
ベンチマークなし

→ 販売会社の商品ページ(SMBC日興証券)

見るべき数字は2つ。
買った瞬間にかかる3.3%と、持っているあいだ毎年かかる1.793%です。

そしてもう1つ、重要情報シート(販売会社が渡す商品説明の書面)に、こう書かれている数字があります。
信託報酬1.793%のうち、年0.77%は販売会社のSMBC日興が受け取る。
運用報告書の送付や購入後の情報提供の対価、という説明です。

👉 このファンドは、持っているかぎり毎年、残高の0.77%が売った会社に入り続ける商品です。

量子革命の中身|「量子の会社」は2割。3分の2は半導体と通信

量子革命は、まだ設定前の商品です。
実際の組入銘柄は、11月6日以降でないとわかりません。

ただ、販売用資料には「モデルポートフォリオ」が載っています。
2026年8月5日時点で、運用会社が「今つくるならこうなる」と組んだ40銘柄です。
実際のポートフォリオとは異なる、と注記はありますが、運用の考え方を見るには十分な材料になります。

まず、運用会社自身による分野別の内訳です。

投資分野中身の例比率
量子コア量子コンピューターそのものを作る会社24.1%
量子インフラ半導体・クラウド・通信・冷却装置67.5%
量子活用創薬・金融・物流など量子を使う側8.4%

量子コンピューターを作っている会社は、全体の4分の1弱(24.1%)。
3分の2は、それを支える「インフラ」の会社です。

上位10社を並べると、その意味がはっきりします。

量子革命のモデルポートフォリオ(2026年8月5日時点・40銘柄)の分野別内訳。量子コア24.1%、量子インフラ67.5%、量子活用8.4%。上位1〜5位は量子が本業の5社で合計21.8%、6〜10位はフジクラ・デル・シエナ・インテル・ラムリサーチ
順位銘柄国分野時価総額比率
1アーキット・クオンタム英国量子コア0.1兆円4.7%
2Dウェーブ・クオンタム米国量子コア1.2兆円4.4%
3リゲッティ・コンピューティング米国量子コア0.9兆円4.3%
4イオンキュー米国量子コア2.5兆円4.2%
5クオンタム・コンピューティング米国量子コア0.3兆円4.2%
6フジクラ日本量子インフラ9.0兆円2.8%
7デル・テクノロジーズ米国量子インフラ47.2兆円2.6%
8シエナ米国量子インフラ9.1兆円2.6%
9インテル米国量子インフラ80.4兆円2.6%
10ラムリサーチ米国量子インフラ60.6兆円2.5%

※販売用資料(2026年8月5日現在のモデルポートフォリオ)より。実際の組入銘柄とは異なる場合があります

1〜5位は、量子コンピューターを本業にしている会社です。
5社を足して21.8%。
量子コアの24.1%は、ほぼこの5社です。

6位からは顔ぶれが変わります。
光ファイバーのフジクラ、サーバーのデル、光通信のシエナ、半導体のインテル、半導体製造装置のラムリサーチ。
どれも量子に関わる技術を持っていますが、多くはAI向けのデータセンター需要で買われてきた会社です。

業種で見ると、情報技術が77.6%。
規模で見ると、時価総額750億ドル(約12兆円)以上の超大型株が44.7%を占めます。

「量子」と名のつく株の値動きが、実際どうなっているか。
すでに上場している量子関連のETF(上場投資信託)で確かめられます。

2018年から続くDefiance Quantum ETF(QTUM)は、量子革命とは別の商品で、銘柄も配分も違います。
それでも、量子関連株のバスケットがどう動いてきたかの参考にはなる。

このETFの月ごとの値動きは、半導体株のETFと相関0.91(1に近いほど同じ動き)。
ほとんど同じ向きに、同じタイミングで動いてきました。

👉 量子革命を買うことは、かなりの部分で「半導体と通信の株を、3.3%+1.793%で買う」ことです。

本命の量子株5社は、1年で6〜8割下がった

では、残りの2割。
量子コンピューターを本業にしている5社は、どう動いているのか。

銘柄2024年以降の高値2026年10月16日高値から
イオンキュー82.09ドル(2025年10月)31.28ドル−62%
リゲッティ・コンピューティング56.34ドル(2025年10月)11.80ドル−79%
Dウェーブ・クオンタム44.78ドル(2025年10月)11.78ドル−74%
クオンタム・コンピューティング25.68ドル(2024年12月)6.36ドル−75%
アーキット・クオンタム58.27ドル(2025年10月)14.02ドル−76%

※Yahoo!ファイナンスの調整後終値(ドル建て)から計算

量子が本業の5社の株価(2024年以降の高値=100)。2026年10月16日時点で、イオンキュー−62%、Dウェーブ−74%、クオンタム・コンピューティング−75%、アーキット−76%、リゲッティ−79%

4社が、そろって2025年10月に高値をつけました。
そこから1年で、6〜8割の下落。

これが初めてではありません。
2021年から2023年にかけても、5社はそろって9割〜99%下げています。
その後、2024年の安値から高値までに12倍〜82倍へ跳ね上がり、また6〜8割下がった。

量子コンピューターを本業にする会社の株は、過去5年でこれだけ振れてきました。
技術の進歩はニュースになりますが、株価の振れ幅はそのニュースよりずっと大きい。

→ 投資の「リスク」を、危険ではなく振れ幅として読み解いた記事

時価総額の数字も、もう一度見てください。
5社を全部足しても、約5兆円。
上位10社に並んでいるインテル1社の、16分の1です。

👉 量子革命の「量子」部分は、規模が小さく、振れ幅が極端に大きい5社が中心。残りは、量子以外の理由で動く大型株です。

量子が本物でも、量子革命を買う理由にはならない

ここまで読んで、こう思った人もいるかもしれません。
「下がっている今こそ、量子は買い場なのでは」。

量子技術が世の中を変える可能性は、僕も否定しません。
ただ、その話と、このファンドを買うことは別の問いです。

技術が本物でも、勝つ会社がどこかはまだ決まっていません。
量子コンピューターには、超電導方式、イオントラップ方式、光方式と、作り方の流派が複数あります。

上位の5社も、方式や事業はばらばら。
どの方式が残るかで、勝ち負けが入れ替わる段階です。

そして、ここが一番大事なところです。

量子で本当に勝った会社は、勝った後に、市場平均のインデックスへ自然に入ってきます。
インデックスは時価総額の大きい順に組み入れる仕組みなので、大きくなった会社ほど比率が上がる。
いま上位10社に並んでいるインテルもラムリサーチもデルも、すでに全世界株式(オルカン)やS&P500に入っています。

→ オルカンの中身と、銘柄が入れ替わる仕組みを解説した記事

勝者を当てるための手数料を、先に払う必要はありません。
勝者が決まれば、市場平均の中で勝手に大きくなるからです。

テーマ型ファンドは、設定のときが一番の人気になりやすい。
その後の伸び悩みは、フィジカルAIのファンドの記事で詳しく書きました。
→ フィジカルAIのファンドを、コスト「3.3%+1.9%」から検証した記事

→ 防衛テックETF(513A)の「指数が生まれる前」のグラフを検証した記事

👉 量子に未来を感じる人ほど、量子革命ではなく、勝者が勝手に入ってくる市場平均を持つ方が理にかなっています。

量子革命のコスト|100万円で、最初に3.3万円。そして毎年約1.8万円

コストを、100万円で具体的な金額にします。

量子革命市場平均のインデックス(例:eMAXIS Slim全世界株式)
買うとき約3.3万円0円
毎年(100万円あたり)約1.8万円約580円
うち販売会社へ約7,700円―

→ 市場平均のインデックスの実質コストを20本で比べた記事

毎年の差は、100万円あたり約1.7万円。
小さく見えても、これが10年、20年と積み上がります。

仮に、2本がまったく同じ値動き(コストを引く前で年7%)をしたとします。
100万円を入れて10年後の残高は、市場平均のインデックスが約196万円、量子革命が約159万円。
同じ値動きでも、約37万円の差になる計算です。

※この試算は、値動きが同じだった場合の比較です。テーマが外れたときの差は、ここに含まれていません

👉 量子革命は、市場平均に毎年1.7%以上勝ち続けて、やっと同じ場所に立てる商品です。

量子革命の評判・口コミ|設定前の今、聞こえてくるのは「勧められた」

量子革命は、まだ設定前です。
運用実績も、保有者の書き込みが集まる掲示板も、まだありません。

それでも「量子革命 評判」と調べる人がいる。
多くは、窓口や営業の電話で勧められて、判断に迷っている人のはずです。

勧められたなら、使える道具があります。
冒頭で触れた重要情報シートには、販売会社に「聞いていい質問」の例が印刷されています。
たとえば、こんな質問です。

  • 費用がより安い類似商品はあるか。あればその商品について説明してほしい
  • この商品に100万円投資したら、それぞれのコストが実際にいくらかかるのか
  • あなたの会社が得る手数料が高い商品など、私の利益よりあなたの会社やあなたの利益を優先した商品を私にすすめていないか

答えの材料は、この記事に全部書きました。
費用がより安い類似商品はあります。

100万円なら、最初に3.3万円、毎年約1.8万円。
そのうち毎年約7,700円は、勧めた会社に入ります。

フィジカルAIのファンドでも、掲示板で一番多かったのは「勧められて買った」という声でした。
疑うべきは商品より、勧めてくる相手の立場です。

相手が悪い人だという意味ではありません。
売れるほど会社の収入が増える仕組みの中で勧めている、という事実を知った上で話を聞いてください。

量子革命は買いか|僕は買いません

僕の答えは、はっきりしています。
資産を増やすための器としては、量子革命は買いません。

理由は、ここまでの3つです。
①中身の3分の2は半導体と通信で、量子そのものの会社は2割。
②その2割は、1年で6〜8割下がる振れ幅の株。
③それを、市場平均の約30倍の毎年のコストで持つことになる。

それでも量子に賭けたい人へ|悪いことは言いません、やめておきましょう

「理屈はわかった。それでも量子に賭けてみたい」。
その気持ちの正体は、たぶん「次の大きな波に乗り遅れたくない」です。

でも、その気持ちで量子革命を買うと、3つのことが同時に起きます。
賭けたはずの量子は、中身の2割しかない。
その2割は、1年で7割下がることもある株。
そして手数料は、当たっても外れても毎年かかる。

乗り遅れたくないなら、なおさら市場平均です。
量子が本当に次の波になったとき、その勝者は、時価総額が大きくなった分だけ市場平均の中に入ってきます。

乗り遅れることが、仕組みとして起きません。
ただし、勝者がまだ小さいうちの値上がりは取れません。
その値上がりを先に取りに行った人が、いま1年で7割下がった株を持っています。

👉 量子の波に乗りたい人ほど、量子革命はやめておきましょう。

まとめ|量子革命を勧められたら、3つの問い

量子に限らず、これからも「次に来るテーマ」のファンドは出てきます。
そのたびにレビューを探さなくて済むように、この記事の中身を3つの問いにして渡します。

テーマ型ファンドを勧められたときの3つの問い
  • 中身のうち、そのテーマの会社は何割か——量子革命なら2割。残りは別の理由で動く大型株
  • そのテーマの株は、すでにどれだけ動いたか——量子株は、1年で6〜8割下げたばかり。その前には、2024年の安値から12倍〜82倍に上がっていた
  • 同じ中身を、もっと安く持てないか——テーマの勝者は、勝った後に市場平均へ入ってくる

量子は、本当に世界を変えるかもしれません。
でも、それとこのファンドを買うことのあいだには、中身の比率とコストという距離があります。

テーマの名前ではなく、中身の比率とコストで選ぶ。量子革命から持ち帰ってほしいのは、その1つです。

【本記事の注記】

モデルポートフォリオ・コスト・販売会社の受取分は、三井住友DSアセットマネジメント/SMBC日興証券の交付目論見書・重要情報シート・販売用資料(2026年10月時点)から。
量子株5社と量子関連ETF・半導体ETFの値動きは、Yahoo!ファイナンスの調整後終値(2026年10月16日まで)から筆者が計算しました。
過去の値動きで、将来の成績を示すものではありません。

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本記事は筆者の個人的な見解・実体験にもとづく情報提供を目的としており、投資・保険の勧誘を目的としたものではありません。投資にはリスクが伴います。実際の投資判断はご自身の責任において行ってください。特定の金融商品・サービスの購入を推奨するものではありません。
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この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー(FP技能士)|東証プライム上場企業の会社員。
40代から資産形成に本気で取り組み、1年で純資産1000万円増を達成。
「今さら遅いかも…」と不安な方へ、データと実体験に基づく合理的な資産形成を発信しています。

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